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東京モノレールにて [いろいろ思うこと]

ずいぶんと前のことになりますが、羽田空港から浜松町駅まで通っているモノレールに乗ったときのことです。
通路を挟んだ向かいの席に20代の中頃でしょうか、女性の二人連れが座りました。座るとまもなく、ご多分に漏れずおしゃべりを始めました。地方に撮影に行った帰りで疲れていた私には、ただ近くに乗り合わせた人であり興味もありませんでした。
話し始めてまもなく小柄な方が、もう一人の少し大柄でおっとりした方に何やら強い口調で主張をし始めました。話している内容はわからないのですが、「なぜあなたはこうしないのか」「こうすべきだ」というようなことのようでした。おっとりした方は、小柄な方の理屈がもっともだからか、その勢いに気圧されてなのかは判然としませんが、いずれにしても全く反論できずに受け入れざるを得ないといったふうなままうなだれ、顔を少し紅潮させていたようにも思います。
時折視線を向けた私でさえも、どんな話しかわからないけれども、そんな言い方をしなくとも……、と思えたほどの強い口調でした。
浜松町駅に着くまでその動くことのないシーソーは続き、その頃にはおっとりさんはすっかりうなだれ泣き出しそうなほどになってしまった。

私はそこで起こっている何かが気になって気になって仕方がなく、浜松町駅に着き、モノレールのドアが開きチューブから絞り出されるように人が降り、階段を急ぎ足で下りながらも、何となく二人を目で追う自分がいました。

改札を出て、人混みの中で小柄な方とおっとりさんに少し距離が出て、小柄な方が乗り継ぎのことか何かに気をとられているうちに、おっとりさんは、瞬間、身体を翻してその場を離れ、向こうの階段をあっという間に駆け下りて見えなくなってしまいました。本当にあっという間のことで、私自身起こっていることがちょっと飲み込めないほどでした。
小柄な方は、後ろにいたはずのおっとりさんに何か話しかけようと振り向き、そして、何歩か駆け戻りつれであった人が忽然といなくなっていることに直面しました。小柄な方の驚きようといったらありませんでした。忽然と消えてしまった連れ人。小さな子が母親を見失ってしまったかのような突然の孤独。遠目の私からは本当は正確ではなかったのかもしれませんが、彼女のほおが引きつっていたようでした。

私が見ていたのは、ここまでです。
私は内蔵に何か苦いものを感じ、身体が重くなってゆくのを感じました。
カメラバックを肩に担ぎ直し、左には三脚を持ち直しその場を去りました。










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